ポーカーには、ポジションという概念が存在し、勝敗に大きく関わると言われています。
ポーカープレイヤーの中には、ハンドよりもポジションに適した立ち回り方の方が大事だという人は沢山います。
ポーカーで勝ち続けるために、ポジションに関する知識は欠かせません。
- ポーカーのポジションとは
- ポーカーのポジション一覧
- ポジション別のメリットとデメリット
- ポーカーの各ポジションでの立ち回り方
などについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
ポーカーのポジションとは
ポーカーのポジションは、最初に「ディーラーボタン」というポジションを基準にどこに座っているかのことを言います。
ディーラーボタンから時計周りに「ブラインドポジション」「アーリーポジション」「ミドルポジション」「レイトポジション」の4つのポジションが決まります。
ブラインドポジションは、ブラインドと呼ばれる強制ベットを支払わなければいけないポジションです。
アーリーポジションは、プリフロップで1番最初にアクションをしなければいけない「アンダーザガン」を含む、早めにアクションをしなければいけないポジションです。
アンダーザガンから時計回りに順番が周り、ミドルポジション→レイトポジションとアクションする順番が移っていきます。
ポーカーのポジション一覧
大まかなポジションについてはわかったところで、ここからは具体的なポジションの名前とその特徴について話していきます。
ブラインドポジション
ブラインドポジションには、スモールブラインドとビッグブラインドの2つのポジションがあります。
ブラインドとは、ポーカーにおける強制ベットのことです。強制ベットがなければ、自分のスターティングハンドが有利になるまで誰もベットしなくなるので、ブラインドという制度が設けられています。
スモールブラインド(SB)
スモールブラインドは、ディーラーボタンの左隣のポジションで、強制的にブラインドの半額をベットします。
プリフロップの段階では、ディーラーボタンの次にアクションします。フロップ以降では1番最初にアクションをしなければならず、不利なポジションと言われています。
ビッグブラインド(BB)
ビッグブラインドは、スモールブラインドの左隣のポジションで、強制的にブラインドをベットします。
プリフロップの段階では、スモールブラインドの次にアクションします。
フロップ以降は2番目にアクションをしなければならず、スモールブラインドに次いで不利なポジションと言われています。
アーリーポジション
アーリーポジションで名前がついているのは、アンダーザガンだけです。それ以外のポジションは、EP2、EP3と呼ばれることが多いです。情報が少ない序盤にアクションの順番が回ってくるので、不利なポジションです。
アンダーザガン(UTG)
「銃を突きつけられている」というニュアンスがあるこのポジションは、プリフロップでは最初にアクションする必要があるので、最も不利なポジションになります。
フロップ以降は最初ではありませんが、ブラインドポジションのプレイヤーがアクションした直後にプレイする必要があるので、不利なポジションなままです。
ミドルポジション
ミドルポジションで名前がついているのは、ハイジャックのみです。
しかし、ハイジャックの右隣をロージャックと呼ぶこともあります。ミドルポジションはアーリーポジションの後にアクションするポジションです。
中間のポジションなので、有利でも不利でもありません。
ハイジャック(HJ)
ミドルポジションの中で、ディーラーボタンの2つ前のポジションのことです。ブラインドポジションとアーリーポジションのプレーヤーがとったアクションを把握できるので、強気に攻めて有利な展開を作ることもできます。
レイトポジション
ミドルポジションの後にプレイするポジションで、カットオフとディーラーボタンがあります。最も情報が集まった状態でプレイできるので、有利に立ち回ることができます。
カットオフ(CO)
ディーラーボタンの右隣のポジションです。
ディーラーボタン(BTN)
1番最後にアクションを行えるポジションであり、最も有利なポジションと言われています。
プレイヤーの前にDEALERと書かれたボタンが置かれることが多いです。
ポジション別のメリットとデメリット
ここからはポジション別のメリットとデメリットを紹介します。
ブラインドポジション
ブラインドポジションは、不利なポジションだと思われがちですが、メリットがないわけではありません。
ブラインドポジションのメリット
プリフロップの際に、ブラインドのプレイヤーは後半にアクションすることができます。
他のプレイヤーの動きを考慮することができるので、有利にゲームを進めることも可能です。
また、誰もレイズしなかった場合、ビッグブラインドは追加ベットなしで次のラウンドに行くことができます。
ブラインドポジションのデメリット
強制ベットがあるので、他のプレイヤーのようにノーリスクでフォールドすることができません。また、ポストフロップの際には常に最初にプレイする必要があるので不利になります。
アーリーポジション
アーリーポジションも、ブラインドポジションと同様に不利なポジションだと思われがちですが、メリットはあります。
アーリーポジションのメリット
他のプレイヤーよりも早くアクションを起こすことができるので、強い手を持っている場合は、レイズで自分よりも後にアクションする相手に圧力をかけることができます。
アーリーポジションのデメリット
他のプレイヤーのアクションを見ることができないので、慎重なプレーが求められます。
ミドルポジションやレイトポジションのプレーヤーに有利な展開になってしまう可能性が高いです。
ミドルポジション
ミドルポジションは、アーリーポジションとレイトポジションの中間に位置するポジションであるので、メリットとデメリットが同じくらいあると覚えておきましょう。
ミドルポジションのメリット
他のプレイヤーのアクションを見ることができるので、相手の動向やハンドレンジを把握した上で判断ができます。
ミドルポジションのデメリット
レイトポジションのプレイヤーと比べると情報量が少ないことがデメリットです。
レイトポジション
レイトポジションは、最も有利なポジションと言われており、実際の勝率も他のポジションより高くなっています。
レイトポジションのメリット
最も情報を得ることができることが最大のメリットです。
相手のアクションとハンドレイジを踏まえて、より正確な判断をすることができます。また、状況によってはスタートハンドが弱い場合でも、ブラフや強気なプレイが可能です。
レイトポジションのデメリット
他のプレイヤーのアクションを見て判断するため、展開によってはブラフやレイズに振り回される可能性があります。また、相手が慎重なプレーをしてきた場合は相手の強い手を把握できない可能性もあります。
ポーカーの各ポジションでの立ち回り方
ポジション別のメリットとデメリットを踏まえた上で、ゲームでの具体的な立ち回りについて紹介します。
基本的な立ち回りを覚えたうえで、実際の対人戦では心理的な読み合いや駆け引きをしていきましょう。
UTG | スーテッド | |||||||||||||
A | K | Q | J | T | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | ||
オ フ ス ー テ ッ ド | A | AA | AKs | AQs | AJs | ATs | A9s | A8s | A7s | A6s | A5s | A4s | A3s | A2s |
K | AKo | KK | KQs | KJs | KTs | K9s | K8s | K7s | K6s | K5s | K4s | K3s | K2s | |
Q | AQo | KQo | QJs | QTs | Q9s | Q8s | Q7s | Q6s | Q5s | Q4s | Q3s | Q2s | ||
J | AJo | KJo | QJo | JJ | JTs | J9s | J8s | J7s | J6s | J5s | J4s | J3s | J2s | |
T | ATo | KTo | QTo | JTo | TT | T9s | T8s | T7s | T6s | T5s | T4s | T3s | T2s | |
9 | A9o | K9o | Q9o | J9o | T9o | 99 | 98s | 97s | 96s | 95s | 94s | 93s | 92s | |
8 | A8o | K8o | Q8o | J8o | T8o | 98o | 88 | 87s | 86s | 85s | 84s | 83s | 82s | |
7 | A7o | K7o | Q7o | J7o | T7o | 97o | 87o | 77 | 76s | 75s | 74s | 73s | 72s | |
6 | A6o | K6o | Q6o | J6o | T6o | 96o | 86o | 76o | 66 | 65s | 64s | 63s | 62s | |
5 | A5o | K5o | Q5o | J5o | T5o | 95o | 85o | 75o | 65o | 55 | 54s | 53s | 52s | |
4 | A4o | K4o | Q4o | J4o | T4o | 94o | 84o | 74o | 64o | 54o | 44 | 43s | 42s | |
3 | A3o | K3o | Q3o | J3o | T3o | 93o | 83o | 73o | 63o | 53o | 43o | 33 | 32s | |
2 | A2o | K2o | Q2o | J2o | T2o | 92o | 82o | 72o | 62o | 52o | 42o | 32o | 22 |
s…スーテッド(同じマーク)
上記のような表を「ハンドレンジ表」と言います。この例はプリフロップの際のアンダーザガンのハンドレンジ表です。
A~Kまでの13枚のカード2枚の組み合わせである169通りの組み合わせが書かれています。
スーテッドは同じマーク、オフスーテッドは異なるマークという意味です。
この表においては、黄色がレイズ、オレンジがレイズorコールの推奨アクションになっています。
色がついていない手の場合、フォールドをおすすめしています。アンダーザガンだと、5回に1回以下を目安にしかゲームに参加できません。
時間があるときに、他のハンドレンジ表も見てみてください。遅めのポジションほど、ハンドレンジが広くなっていることがわかると思います。
ブラインドポジションの立ち回り方
ブラインドポジションでは初期のベットが少ないため、リスクが少なくフロップを見ることができます。
しかし、弱い手でコールをし続けると損する可能性が高いので、プリフロップの際に慎重にアクションの選択をした方が良いです。
特にスモールブラインドの場合は、幅広いハンドでコールが推奨されています。
フロップ以降は最初にアクションする必要があるので、慣れてきたら自分のハンドの強さによってはレイズをすることで相手に圧力をかけても良いです。
アーリーポジションの立ち回り方
後ろにプレイヤーが多く、かなりハンドレンジを絞ってプレーする必要があります。
強いハンドが来たときは、レイズをして圧力をかけることもできます。しかし、あえてチェックやコールをすることで様子を見るのも良い戦法です。
特にアンダーザガンのポジションの場合は、プリフロップにおいて1番最初にアクションする必要があるので、かなり上位のハンドでなければレイズはおすすめしません。
ミドルポジションの立ち回り方
基本的にアーリーポジションと立ち回りを大きく変える必要はありません。
アーリーポジションよりは多少ハンドレンジを広げ、他のプレイヤーのアクションに合わせて柔軟に対応しましょう。
レイトポジションからリレイズが返ってきたときには、安易にコールをせず、基本的にフォールドをおすすめします。
レイトポジションの立ち回り方
情報量が多いので、ブラフレンジを多少大きくしても問題ありません。
基本的にAを持っているときはフォールドする必要はありません。
カットオフの場合、ディーラーボタンが1番の敵になるので、プレイスタイルをよく見ておきましょう。ディーラーボタンの場合、有利なポジションなのでレイズ額を下げても問題ありません。
ポーカーのポジション解説 まとめ
今回の記事では、ポーカーのポジションについて、初心者でもわかりやすいように詳しく説明してきました。
不完全情報ゲームと呼ばれるポーカーにおいては、情報量が有利不利を大きく分けます。
大事なポイントをまとめておきます。
- ポジションとはアクションする順番のこと
- ポーカーはポジションによって有利不利が大きく変わる
- 早くアクションをするポジション程不利、遅くアクションをするポジション程有利
- ポジションによって立ち回り方やハンドレンジも大きく変わる
難しそうな単語が並びますが、名前や役割・特徴を知ったことで、少しでも理解を深めてもらえたのであれば幸いです。
ポーカーのポジションに関するよくある質問
最後に、ポーカーのポジションに関するよくある質問をいくつかまとめてみました。