競馬のレースの距離 初心者ガイド / 代表的な長さ・傾向・予想方法などを紹介

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競馬ではレースごとに距離が決められています。JRAのレースで最も短い距離のレースは1000m最も長い距離のレースは3600m(障害競走は4100m)です。

「100m走を得意とするオリンピック選手が、マラソンでも好成績を残すことができるか?」

といったらそれは無理ですよね。競走馬も人間と同じで、得意な距離があります。

本記事では、

本記事で解説する内容
  • 競馬の距離一覧
  • 距離の区分について
  • 競馬の距離別予想ポイント

などについてわかりやすく解説しています。

レースの距離を把握して、各距離の重要ポイントを理解することで、馬券の的中率は大幅にアップします!距離適性を知ることで、人気薄の穴馬をピックアップする機会も増えてくることでしょう!

初心者の方は、競馬新聞にレースの距離が記載されているので、参考にするのがおすすめです。競馬新聞についても解説しているのでぜひチェックしてみてください。

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目次

競馬の距離 一覧 

「短距離」「マイル」「中距離」「長距離」の4つの距離に分けて

それぞれのレース距離や得意とするタイプの脚質について解説します。

短距離

競馬の短距離戦は主に以下の距離でレースが行われます。

スプリント戦という呼び方で使われることもあります。

短距離戦の長さ
  • 1200m
  • 1000m

JRAでは最短距離が1000mですが、地方競馬では1000m以下のレースも開催されています。

1200m

短距離戦の中で最も重賞の数が多いのが1200mのレースです。

1200mの主なレース一覧
  • 高松宮記念(G1)
  • スプリンターズステークス(G1)
  • セントウルステークス(G2)
  • 京阪杯(G3)
  • CBC賞(G3)など

短距離戦の頂点となるのが、春の中京競馬場で開催される高松宮記念秋の中山競馬場で開催されるスプリンターズステークスの1200m戦です。

この2つのレースを同一年に優勝した馬はスプリント完全制覇の称号を獲得しますが、過去に偉業を達成した馬はまだ7頭だけです。

2013年に春秋スプリント制覇を達成したファインニードルが最後で、それから10年間この記録は達成されていません。

まだ馬体が成長途上の2歳馬のデビュー戦、特に6月~8月の新馬戦や未勝利戦でもこの距離が使われることが多く、最初の2歳重賞「函館2歳ステークス」なども1200m戦で開催されます。

1000m戦

JRA開催レースでは最も短い距離のレースが1000m戦になります。

1000mの主なレース一覧

アイビスサマーダッシュ(G3)など

新潟競馬場で開催される直線1000m重賞アイビスサマーダッシュに代表されるスプリント戦で、展開や作戦云々ではなく、純粋に速い馬が勝つレースと言ってもいいでしょう。

短距離戦の展開と得意な脚質

短距離戦で求められるのは、当然スピード能力

スプリント戦は1分足らずでレースが終了するので、他の距離のレースと比べて、展開や仕掛けの駆け引きの重要度は低いと言っていいでしょう。

短距離戦を得意とする馬の脚質は「逃げ」「先行」タイプです。最後の直線で驚異的な末脚で差し切った名馬もいますが、スピード能力が高い馬は、必然的に先頭に立つか、先行馬群の中でレースを進めることが多いです。

マイル

競馬のマイル戦は主に以下の距離でレースが行われます。

マイル戦の長さ
  • 1600m
  • 1400m

海外で使用される距離単位マイル(1600m)が基本距離となります。

1600m

マイルのG1戦が行われる基本距離が1600mコースです。

G1レースが最も多く行われるのがこの距離でG1レースだけでも8つのレースが開催されています。

1600mの主なレース一覧
  • 安田記念(G1)
  • マイルチャンピオンシップ(G1)
  • ヴィクトリアマイル(G1)
  • 阪神ジュブナイルフィリーズ(G1)
  • 朝日杯フューチュリティステークス(G1)
  • NHKマイルカップ(G1)
  • フェブラリーステークス(G1)
  • 桜花賞(G1)など

スプリント戦同様、春の安田記念、秋のマイルチャンピオンシップを同一年で制覇した馬が年間マイル完全制覇の称号を獲得します。

過去の達成馬は12頭とスプリント制覇よりも多いですが、こちらも2016年のグランアレグリア以来達成馬は出ていません。

1400m

マイルと短距離の中間距離である1400mは、スプリンターもマイラーもどちらも走れる距離で、各G1の前哨戦として使われることが多いです。

1400mの主なレース一覧
  • スワンステークス(G2)
  • 阪神カップ(G2)
  • 京王杯2歳ステークス(G2)
  • フィリーズレビュー(G2)
  • 阪急杯(G3)など

スプリント戦と1ハロン(200m)しか違いはありませんが、その少しの差が大きく先行馬が粘り切れないレースが出てくる距離でもあります。

マイル戦の展開と得意な脚質

スピード能力が高いことが重要なのは短距離戦と同じですが、マイル戦では騎手の駆け引き、仕掛けどころも重要になってきます。

一瞬の切れ味でゴール前差し切る馬が多いので、いかに騎手の指示通りに最後のスパートができるかと、一気にトップスピードに到達できる瞬発力が求められます。

最後の決め手勝負になるレースが多いので、マイルチャンピオンシップでは差しが有効戦法です。

中距離

競馬の中距離戦は主に以下の距離でレースが行われます。

中距離戦の長さ
  • 2400m
  • 2200m
  • 2000m
  • 1800m

世界共通のメインディスタンス2400mが入る中距離は、全てのレースの頂点に君臨する距離と言っても過言ではないでしょう。

2400m

2400mのレースはダービー、オークスの舞台となる距離で(クラシックディスタンス)の呼び方でも知られる距離です。

日本を含めた世界各国のダービーがこの距離で行われています。

2400mの主なレース一覧
  • 日本ダービー(G1)
  • オークス(G1)
  • ジャパンカップ(G1)
  • 凱旋門賞(G1)
  • 京都大賞典(G2)など

全てのホースマンそしてファンの夢「日本ダービー」が開催される2400m。英ダービーや仏ダービー、そして凱旋門賞もこの距離で戦いが繰り広げられます。

クラシックを制するためには「スピード」「スタミナ」がトップクラスであることは必須条件、さらに「運」も加えた全ての条件が揃わなければ勝つことはできません。

2200m

2200m戦は春のグランプリ「宝塚記念」が開催される距離です。

2200mの主なレース一覧
  • 日本ダービー(G1)
  • オークス(G1)
  • ジャパンカップ(G1)
  • 凱旋門賞(G1)
  • 京都大賞典(G2)など

この距離になると、スピード能力よりも若干スタミナの豊富な馬の方が好走する傾向があります。

天皇賞春で好走した馬が、宝塚記念でも実績を残すことが多いです。

2000m

中距離の中でもスピード能力の高さが求められるのが2000m戦です。

2000mの主なレース一覧
  • 天皇賞秋(G1)
  • 大阪杯(G1)
  • 秋華賞(G1)
  • 皐月賞(G1)
  • 札幌記念(G2)など

「最も速い馬が勝つ」と言われる三冠第1戦の皐月賞や、天皇賞秋が開催される距離です。

1800m

中距離の中で唯一芝コースのG1がないのが1800mの距離です。

1800mの主なレース一覧
  • チャンピオンズカップ(G1)
  • 毎日王冠(G2)
  • スプリングステークス(G2)など

ダート競争では冬のG1チャンピオンズカップがこの距離で開催されています。

東京競馬場芝1800mで行われる毎日王冠は中距離の天皇賞秋を目指す馬とマイルチャンピオンシップを目指す馬が激突するレースでG1レースにも負けないメンバーが揃うことで毎年注目されています。

中距離戦の展開と得意な脚質

中距離戦はレース距離の範囲が広いので、マイルに近い1800m、2000m戦と中長距離と呼ばれる2200m以上のレースでは展開と得意な脚質が異なります。

1800mや2000mはスピードと瞬発力が重要となり、差しや追込み脚質の馬がゴール前で交わすシーンが多いのに対し、2200m以上のレースになると最終コーナーで先団にポジションを取っている先行馬が断然有利になります。

1800m、2000mでは逃げた馬が最後に一気に交わされるシーンが多いですが、2200m以上になると、道中のペースを落とした逃げ馬が粘りこむことも珍しくありません。

長距離

競馬の長距離戦は主に以下の距離でレースが行われます。

長距離戦の長さ
  • 3200m以上
  • 3000m
  • 2500m

日本の競馬で最長のレースは中山競馬場で開催されるステイヤーズステークスの3600mです。障害レースを含めると最長は中山グランドジャンプの4250mです。

3200m以上

競馬で長距離を得意とする馬をステイヤーと呼びます。

3200mの主なレース一覧
  • 天皇賞春(G1)
  • ステイヤーズステークス(G2)
  • ダイヤモンドステークス(G3)など

ステイヤーの目標とするレースは天皇賞春です。京都競馬場で開催される伝統の1戦で数多のステイヤーたちが春の盾を目指して激しい戦いを繰り広げてきました。

ただ、近年はスピード競馬が主流となってきており、3200mを超えるレースに出走する馬は年々少なくなってきているのが現状です。

3000m

クラシック3冠戦、最後に待ち受けるのが京都競馬場で開催される菊花賞です。

3000mの主なレース一覧
  • 菊花賞(G1)
  • 阪神大賞典(G2)など

ほとんどの3歳馬が経験したことのない3000mという長距離、コースを2週するのも初めてです。

ダービーや皐月賞でスピードに劣り惨敗していた馬が豊富なスタミナを武器に菊花賞で頭角を現すことも珍しくありません。

天皇賞春の前哨戦として数多くの名勝負が誕生した阪神大賞典も3000mで行われるレースです。

2500m

2500mの主なレース一覧
  • 有馬記念(G1)
  • アルゼンチン共和国杯(G2)
  • 日経賞(G2)
  • 目黒記念(G2)など

日本で一番盛り上がる競馬と言えば、日本ダービーと暮れの有馬記念でしょう。有馬記念が行われるのが中山競馬場の2500mコースです。

2500m戦のG1は有馬記念だけですが、他の距離と比べて格式が高いG2レースが多いのが特徴。歴史のある目黒記念や日経賞などもこの距離で行われています。

長距離戦の展開と得意な脚質

長距離戦は競馬場を1周半~2週という長い距離を走ります。最後までスタミナを持たせるためペースが遅くなるのが一般的です。

遅いペースで逃げた馬、先行した馬が有利になるのは当然ですが、逃げ馬は2番手3番手の馬にマークされることが多く、恰好のターゲットになりやすいというリスクを背負っています。

距離の区分について

現在の日本競馬では、距離を4つに区分するのが一般的です。

距離区分距離
短距離1000m~1400m未満
マイル1400~1800m未満
中距離1800~2400m
長距離2500m以上

しかし、この距離区分ができたのが1948年と70年も昔の話で、その後に創設された数多くのレースの体系と若干ズレが生じてきています。

日本の競走馬が外国のレースに参加することも多くなり、最近では国際基準に合わせたSMILEという距離区分も使われるようになってきました。

記号競走区分(英語)競走区分(日本語)距離
SSprint(スプリント)短距離1000m~1300m
MMile(マイル)マイル1301m~1899m
IIntermediate(インターミディエイト)中距離1900m~2100m
LLong(ロング)長距離2101m~2700m
EExtended(エクステンデッド)超長距離2701m以上

SMILEとは5つの距離区分の頭文字をまとめた呼び方です。

日本の馬が海外で活躍することがさらに予想されるため、今後は日本競馬の距離区分もSMILEに移行していくことは間違いありません。

競馬の距離別 予想のポイント解説

競馬の距離についての解説をしてきましたので、今度は距離別での予想ポイントについて解説していきます。

短距離戦は序盤のスピードがポイント!

1分程度でレースが終わってしまう短距離戦で、ポイントになるのはいかに有利なコースを走れるかということ、前のポジションを取れるかということになります。

序盤でいい位置取りを取るために大事なのは「スタート」「テンの速さ(スタート後の加速スピード)」「枠」この3つが重要です。

内枠出走の馬が絶好のスタートを切って、スピードの違いで先頭に立つようなら、そのレースは8割方勝利と言っても過言ではありません。 

マイル戦は瞬発力に注目しよう!

マイル戦では最後の決め手勝負になるケースが多いので、重視すべきは馬の瞬発力です。瞬発力は上りタイムというもので数値化されているので、過去のレースをみて上りタイムが早い馬をチェックすれば、ゴール前で一気の末脚で伸びてくる馬を見つけることができます。

中距離戦は総合的な能力が大切! 

中距離戦では、スピード、スタミナの両方とも高いレベルが求められます。

スピードだけの馬では2000mの距離で最後まで力を出し切ることができませんし、スタミナに優れていてもスピードがなければ、道中で置いて行かれ、最後の勝負どころでどんなに力を出しても届かない絶望的なポジションにいる場合があります。

両方のバランスがいい馬を選ぶのがポイントとなるので、過去レースで好走した距離や走破タイムなどを参考にして中距離レースに合った馬を見つけ出しましょう。

長距離戦は騎手の腕を重要視しよう!

短距離戦はスピードならば、長距離戦はスタミナでしょうと思うかもしれません。

確かにスタミナが豊富な馬は有利ではありますが、2500mを超える長距離レースで大事なのは馬の能力だけではなく、コース取り、馬の折り合い、仕掛けどころなど騎手の力で左右されることも多いです。

「長距離戦は騎手で買え!」と昔から言われているように、2500mを超えるレースならば経験豊富で実績がある騎手を信頼して、騎手で選ぶという買い方も有効になります。

競馬の距離 解説 まとめ 

今回は競馬の距離について解説してきました。

本記事のまとめ
  • 距離は「短距離」「マイル」「中距離」「長距離」に区分される
  • 馬にとって得意な距離、不得意な距離がある
  • 距離によって予想のポイントを変えれば的中率はアップする

得意な距離、不得意な距離などを判断するには、過去の競走成績が一番参考になりますが、慣れてくれば血統によってある程度判断することもできるようになります。

初心者の方にとって血統での判断はまだハードルが高いかもしれないので、最初のうちは過去レースで勝っている距離、負けている距離を確認して馬券に生かす方法がおすすめです。

競馬の距離に関するよくある質問

競馬の距離に関するよくある質問を3つ挙げておきますので参考にしてみてください。

競馬のレースの距離によって予想の難易度は変わるの?

予想しやすいのは、枠順、成績、騎手など様々な要素が予想に組み込める長距離戦でしょう。短距離の場合、スタートや道中の細かいミスなど不確定要素で結果が大きく変わることがあるので、予想通りにいかないことも多いです。

競走馬はすべての距離を走れるの?

すべての距離を走ることは可能です。

1200mや1400mしか走っていなかった馬が障害レースに転向して4100mで優勝したケースもたくさんあります。

ただし、得意な距離と不得意な距離があるのは事実。不得意な距離では自分の力を出し切れずに終わる可能性が高いです。

初心者におすすめの競馬の距離は?

競馬の基本となるマイル~中距離戦は、レースの数も多く、出走メンバーの力関係もはっきりしている場合も多いので、初心者の方でも予想がしやすく、当てやすいレースが多いと思います。

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この記事を書いた人

競馬・競艇・オートレースなどの公営ギャンブルが大好きな会社員。特に競馬が大好きで競馬歴は20年。

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